acceptionとacceptation

どちらもaccepterの名詞化だろうが、違いがある。

『プチ・ロワイヤル仏和辞典』では、acceptionの項には、

1.意味、語義、語彙、2.(文)特別扱い、えこひいき、

と書かれている。dans toute l'acceptation du mot/termeで「文字通り、まさに」という意味になる。

acceptationの項には、

1.受け入れること(de…を)、受諾、承諾、容認、2.(補語なしで)(運命などの)甘受

とある。

これを見ると、二つの語の意味が全然違うようだ。しかし、Le Petit Robertをみると、まず、acceptionには、

1. Acceptation.

2. Sans acception de : sans faire entrer en ligne de compte.

3.(XVIIe) Sens particulier d'un mot, admis et reconnu par l'usage. →signification

とある。この辞書によれば、acceptionにはacceptationの意味もあるようで、むしろ、これが一番先に書かれている。仏和辞典と異なる。その一方、acceptationは

1. Le fait d'accepter.

2. Acte par lequel une partie accepte ce que l'autre lui offre; consentement formel.

となっている。仏和辞典よりも丁寧(プチ・ロワイヤルには、例としてacceptation d'un risqueが載せられているが)。「運命」という語はでてこないが、1の項の例文に、"La guerre, ce n'est pas l'acceptation du risque, c'est l'acceptation pure et simple de la mort."(Saint-Exupéry)が引かれている。(「戦争とは、リスクを引き受けることではなく、死を純粋かつ単純に受け入れることだ」)。自分の意志にかかわらず、そういうもんなんだからそれをそのまま引き受けるしかない、というニュアンスか。

2の項には、単に、「一方が他方からが与えられるものを受け取る」というような意味になっている。acteには証書の意味もあるが、その後ろに付け加えられているように、「形式的な同意」というニュアンスも出てくるようだ。


よく言われるし、当たり前なのかもしれないけれど、細かなニュアンスを調べるのには、仏仏辞典を引くのがやっぱり良いのかな。フランス語の先生は、ぼくが知っている限り、ほとんどの人が、このLe Petit Robertを勧める。「プチ」と言いながら、広辞苑並かそれよりも大きいのだけれどCD-ROMヴァージョンもある。値段は本のほうより約10ユーロ高い。新しく2005年版というのがでているようだ。買い換えなくちゃならないんだろうか(ぼくの使用しているのは2001年版)。

電子辞書版もある。欲しい。