ゴッホ『ゴッホの手紙』

cinna85mome2005-06-11

(…)僕が放埓で病気で何の取りえもなければ、それだけ、僕はわれわれの話し合ってるあの芸術の偉大なルネサンスの中で、芸術家となり創造者となれるといい。
 たしかにその通りにちがいない、しかし芸術は永遠に存在し、切り倒された古い幹の根から生え出た緑の新芽のような、このルネサンスは、あまりに精神的なもので、芸術にたずさわるよりも、もっと少ない代償で人生を送れただろうと考えると、ある侘しさが胸に残るのだ。
 君は僕に、芸術は生きものだということをもっと感じさせてくれなければいけないのだ。おそらく君は僕よりも芸術を愛しているんだからね。
 もちろん、問題は芸術ではなく僕自身に関してだ、僕が平静と落ち着きとを取り戻すための唯一の方法は、もっとよい仕事をすることだけだ。(強調は原文)

(『ゴッホの手紙 中 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-2)』、159ページ)


若干、訳語が変なような気がする。原文を確認したいところ。


いまから国立国際美術館の「ゴッホ展」、見に行ってきます。



+Vincent Van Gogh, La maison jaune, (septembre 1888)