cinna85mome2004-06-08


http://www.oliviermessiaen.co.uk/

ASIN:B00004TG7M

 毎週火曜日は、フランス語の会話の授業がある。授業と言っても、何かの教材にしたがって進行するようなものではなく、参加者がそれぞれフランス語で軽くプレゼンテーションを行なうという、非常に自由度が高い「おしゃべり」のクラスである。

 今日のクラスのうちの一人の発表は、面白かったので書き留めておく。私ははじめて聞いたのであるが、それは、オリヴィエ・メシャンolivier messiaenという「現代」音楽家の作曲した『鳥のカタログ』についてのプレゼンであった。CDのうちから彼女の好きな1曲を皆で聴いて、感想を言い合った。拍子が一定ではなく、短調から急に長調になったりかなり起伏に富んだ小曲である。胸をびくびくさせながら、恐ろしいとは言わないまでも妙に不安感を煽るような曲で、私としてはそれが結構心地よかった。「不安感」を起こさせるような曲が心地よいとは矛盾しているような気もするが、上手く形容できない。メシャンが捉えた「鳥」(選ばれた曲はウグイス)の声は、私にとっては「鳥」との新しい出会いであった。

 いわれてみれば、この曲が「鳥」の声を演奏しようとしているのがわかる。しかし、それは単なる「声」の模倣ではない。我々が普段耳にするような「鳥」の声は純化され抽象化されて、「芸術」という至高にまで到達している。