ニーチェ『ニーチェ全集〈8〉悦ばしき知識 (ちくま学芸文庫)』

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われわれが最も深刻に、極く個人的に悩んでいるものは、他人の誰にもほとんど理解されえないし、窺い知られないものである。その点では、われわれは、一番親しい人の眼にも隠された者である、たとえその人がわれわれと同じ釜の飯を食べているとしてもだ。それなのに、われわれが苦悩者だと気づかれる際は、いつも、われわれの苦悩は浅薄な解釈を蒙る。他人の苦悩から、その独特に個人的な契機を剥ぎとってしまうのが、同情という感情の本質に属したことだ。
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(338)

要するに、「同情の宗教」が助けるよう命ずるし、何はおいて手っ取り早く助けるのが一番良い助け方だと信じているわけだ!(338)