Henri Fantin-Latour

cinna85mome2005-06-13

前々からずっと書こうと思っていたのだが、上の絵はアンリ・ファンタン=ラトゥールという人の作品である。日本ではあまり知られていないような気がするが、フランスではどうなんだろうか。彼の生れの地は、僕が4ヶ月くらい前まで交換留学で滞在していたグルノーブルというリヨンにほど近い中規模の地方都市である。グルノーブルは彼のほかにスタンダールやエマニュエル・ムニエなども輩出している(遺品や原稿を所蔵したスタンダール美術館なんてのが、グルノーブルにはあったが、ファンタン=ラトゥールに捧げられた美術館はなかった。グルノーブル美術館は彼の作品をいくつかもっていたが。リセ・エマニュエル・ムニエというのが存在するように、リセの名前として採用されているかもしれない。)どうも僕が滞在しているときに、ファンタン=ラトゥールの特別展示が行われていたようだ。学業が忙しくて、というのはうそだけれど、なんやかんやで行く暇がなかった。

彼の絵のうちで最も目に触れられているのは、この絵だろうか。ぼくはオルセー美術館で実際に見て来た。左から二人目が、かのアルチュール・ランボーである。実はこの肖像はファンタン=ラトゥールの描いたものである。有名な話なのかもしれないが。

権力の美学Power Corruption & Lies
また、彼の作品のひとつはNew Orderにジャケとしても使われている。セカンドアルバム。邦版名は『権力の美学』という(『Power, Corruption & Lies』)。日本盤とヨーロッパ盤とでは少しジャケが異なっている(むかって左側が日本盤。色調がやや青い)。
このジャッケットの絵はどうもマイナーなようだが、少し調べてみるとネット上に落ちていた。これロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵。