谷崎潤一郎『陰翳礼讃』

谷崎潤一郎陰翳礼讃 (中公文庫)』の一節、
陰翳礼讃 (中公文庫)

第一飯にしてからが、ぴかぴか光る黒塗りの飯櫃に入れられて、暗い所に置かれている方が見ても美しく、食慾をも刺激する。あの、炊きたての真っ白な飯が、ぱっと蓋を取った下からあたたかさうな湯気を吐きながら黒い器に盛り上がって一と粒一と粒真珠のやうにかがやいてゐるのを見る時、日本人なら誰しも米の飯の有難さを感じるであらう。(25ページ.)

を引いて、大貫恵美子さんは『コメの人類学―日本人の自己認識』のなかで、

右の一説から推察されるのは、米の美的価値は、上流階級の間で発達したものであるが、一般庶民の間にも広まっていったことである。(141ページ.)

と、している。



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今、こんなことを思い出したのは、今晩のおコメが、ほとんど神業的にうまく炊けたから。いつも水の量を目分量でやっている。おすすめ。おいしく炊けたときものすごく嬉しいですよ。