現実逃避の音楽

cinna85mome2005-05-07

この前D江氏と会って次の日にふたりで5年ぶりくらいに心斎橋のレコード屋に何軒か行ったのだが、心斎橋界隈にはワルそうなやつらがあんまりいなくなっていたので驚いた。レコード屋もいくつかなくなっているのもあって、去年2年ぶりに会った「アートロック」(http://artrock-1.com/)の店長にぼくが「最近ネオアコとかあんまり聞かなくなりましたねえ」といったら「そういうのを何十年も聞き続けている人の方がおかしいんですよ」というようなことを言われたことを思い出して、不況も関係してるんだろうけれど、一時の人気に左右されるレコード販売業も大変だなとえらそうにも思ってしまった。ネオアコが何十年も聞くに堪えないものであるかどうかはよくわからないけれど、ぼくはこの「ブーム」(?)のときにいろいろと聞いたおかげで好きなバンドを見つけることができたので、「ネオアコ」と分類されるようなものを全部聞こうというやる気は失われたものの将来の音楽生活にとっては収穫がかなり大きなものであった。ぼくの音楽の趣味もこれからたぶんさほど変わることはないような気もする。今でも好きなバンドで高校生くらいのときに出会ったものはぼくにはインパクトが大きすぎた。

そんなことはどうでもいいとして、このお店(http://www.siestarecord.com/cart/index.html)なんかはいまでもあいていて懐かしかった。5年前に血眼になって探していたレア盤が、それなりの値段はするものの、ごろごろ見つけられて、欲しくなったが我慢しておいた。

最近新譜でいいのがあまりなく、かといって新たな領域を開拓しようとするやる気もあるわけもなく、結局前に好きだったものを聞きなおすということくらいしかできていない。音楽を聞いて、猛烈に感動したりする機会が本当に少なくなって、ただ単にたかだか5年か10年位前のころのことを思い出して、ノスタルジックに感傷的になる程度でしか音楽を聴くことができないなら、それは本当にくだらない時間の消費であると思う。どうやったらそれを回避することができるのだろうか。

This Island
こんな問題はどうでもいいんだなと思わせる一枚を発見した。Le Tigreというアメリカのバンド。新譜。Bisみたいだ。Bisなんかよりもっとバックトラックがしっかりしている印象を受ける。くだらないようで音色は結構面白い。たまに聞くにはよいと思う。1週間に1度だけ聞くくらいなら好きと言える。

ぼくも含めたふつうのリスナーにとっては、いやな現実を忘れさせるくらいにしか音楽を聴く楽しみというのはないんだろうか。それはそれで悲しい。音楽にもっと教わることはあるはずなのに。