JR福知山線脱線・尼崎脱線事故

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000106-yom-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050425-00000114-yom-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000035-san-soci

ＪＲ福知山線の脱線事故で、快速電車が事故直前、伊丹駅で実際には４０メートルのオーバーランをしながら、高見隆二郎運転士（２３）と松下正俊車掌（４２）が口裏合わせをし、８メートルだったとＪＲ西日本に報告していたことが２６日、分かった。松下車掌が２５日夜、同社に明かした。

事故を起こした高見隆二郎運転士（２３）は見習い期間を含め、過去に３度、訓告や厳重注意処分を受けていた。

悲惨な脱線事故が起こった。原因はいったい何なのか。上記のような記事を読むと、責任を運転手だけに帰しているように思えるが、本当にそうなのだろうか。他の記事(たとえばhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050426-00000094-kyodo-soci)も総合して考えると、オーバーランをしてもとの車線位置に戻るのに手間取った時間(1分!)を取り戻そうとしてスピードを挙げた結果、事故が発生したといまのところは推測できるようだ。しかし、自己の主要因を運転ミスとし、「しっかり判断力のある運転手を使いなさい、研修をもっと徹底させなさい」というように、話を終わらせていいのだろうか。「われわれ」のほうにも問題はないだろうか。

昨日、お金を下ろしに行ったときに、ある一台のATMの機械に不具合が生じて、一人のお客さんが激怒していた。「はやくしろ」と。完全に銀行側に原因があったようで、行員の方も平謝りだった。「すみません、すみやかに対処します」・・・

つまらないことで馬鹿みたいに騒ぐおっさんを尻目に、この人は、この列車の事故をどうとらえればよいかわかってないのだな、と同情してしまった。こういう人がとくに列車事故を一方的に非難するんだろうなと思う。ちょっとくらい待ってあげろよ。人に、あきらかに欠点があるのを見つけて、溜飲を下げるのは、悲しい行為であることに気づいた方がいい。

このおっさんに限らず、皆急ぐことはよくある。人から信用を失わないよう約束というのは守らなければいけない、というのは社会の決まりである。こういうぼくも、人が約束時間に遅れてきたら、なにか嫌味を言うことが多い。こういう習慣が行き過ぎることを、もっと危惧する必要がある。電車が1分遅れることにも敏感に反応するような社会が、この事件を引き起こしたのだ。事故の主要因を、運転手のミスとするのではなく、過度なサーヴィスを要求する「われわれ」の厳しさが事故の主要因なのだと考えた方が善いのではないか。ぼくを含め、激怒するこのおっさんを含め、度量の狭さが大惨事を引き起こす可能性があることを自覚する必要があるのだなと思った。